久山との思い出　　- 池内勝正

私が久山と知り合ったのは、17歳の5月頃でした。
その頃の私は、母が亡くなり、また学校では謹慎になりと散々な時期でした。

3年で同じくクラスになり、久山の友人グループと話をするようになり、
久山と知り合いました。
それまで、顔と名前は知っていましたが、１学年に450人の学校でしたので
話をした事はありませんでした。

久山と話をしたら、妙に気が合い、家に来るように誘われました。
家に遊びに行くと、あの頃にしたらセンスのいい音楽をきかしてくれて
(確か荒井由美・かぐや姫とか、訳のわからないジャズも聞いていたかな・・）
食事も御馳走になったと思います。

久山のお母さんが、私の母が亡くなったのを久山から聞いていたらしくて、
『ご飯を食べていきなさい』と手料理を振舞っていただきました。
それからは、高校を卒業するまで、頻繁に久山の家にいくようになり、ご家族にも
大変お世話になりました。

12月に忘年会とかいって、飲めない酒を二人で飲んで気持ちが悪くなり、吐こうと
思ったけど間に合わなくて、久山家の洗濯機に思いっきりゲロをぶちまけてしまった事もありました。久山はギリギリ間に合ってトイレに無事吐いていました。

大学受験も、久山は早々に秋頃、推薦合格で進学先が決定し、私の受験勉強の邪魔をしっかりとやってくれました。深夜営業のお好み焼き屋へ行ったり、夜中のバイク二人乗りでのドライブなど、この頃が一番楽しかった頃でした。

岡山大学の試験の時、久山の家が岡大の裏でしたので、試験を受けた友人と数人で久山の家で、昼食をたべましたが、その時家に行った全員が不合格で、久山のたたりと言われていました。

その後、お互い大阪の大学へ進学しましたが、久山は南河内で私は北大阪で約50Km位離れていたと思いますが、よく久山の下宿へ遊びに行きました。小さな作り付けのベットで男二人で寝て、ベットから転げ落ちましたが、そのまま寝ていました。

学生時代か社会人初期の頃と思いますが、久山が入院した事があります。
久山のお父さんから肺がんでもうだめかもしれないから、仲良くしてやってくれと言われ、お見舞いに行ったら、
病院の屋上にタバコを吸いに行こうと言って、私もタバコはだめといいながら、二人で屋上でタバコを吸って色んな将来の夢を話しあいました。
結果、病気は肺気腫で数ヶ月の入院で完治しましたが、
その入院時に久山が退院したらバイクの免許を取ると病院の屋上で宣言しました。私はその時250㏄に乗っていたので、たまに二人乗りをしていましたが、久山もそれまでは、バイクにそんなに興味はなく、既に自分の車を持っていたのでどちらかといえば車派でした。
それでも急にバイク派に変更し、どんなバイクがいいか、本を見ながら検討し、本田のウィングに決定し、退院後すぐに免許をとり、購入していました。
私もアメリカンタイプのバイクに買い替えて、当時人気のジョン＆パンチの真似をよくしていました。
コーナーリングで2台横に並んできれいに曲がるのを練習しました。

また、モトクロスにも興味をもち、二人で同じバイク（カワサキAE80）を買い、山や荒地に行ってモトクロスの真似事をしていました。ジャンプでこけてフロントフォークを曲げてしまったこともありました。素人レースにも参加したこともあります。久山は最初から飛ばし上位につけていましたが、エンジンが焼きつきあえなくリタイア、すごく悔しがっていたのを覚えています。（因みに私は2位完走。それで余計悔しがっていました）