今日は、闘病が始まって1年半が過ぎた2013年夏のことを思い出していました。
この頃は体調に波があるものの、精神的には穏やかだったように記憶しています。
久山は、目を覚ますと「ひとぼーん」と私を呼び、上半身を起こしてベッドにもたれながら色んなことを言ったり私に尋ねたりしていました。そして5分ほど会話した後、うとうととまた眠るのでした。いくつかメモを取ったものが残っているので今でも時々それを見ては、泣き笑いしています。
コレ、本人はいたって真面目だったんです。
2013/7/13
Shiro 「名前変えんとマズイわ。足つく」
Hitobon 「え?スパイやったん?」
Shiro 「今日の試合は、野球やったっけ?すもうやったっけ?」
Hitobon 「スポーツ選手やってんね」
2013/7/14
Shiro 「富士山っていっぱいあるの知ってる?」
Hitobon 「1つとちゃうのん?」
Shiro 「17個あるねんで。みんな知らんけど」
Hitobon 「・・・(世界遺産に登録されたからね)」
2013/7/14
Shiro 「今日は何するんやったっけー? あ、月に行く用意やな」
Hitobon 「・・・(昨日、宇宙兄弟を読んでたからね)」
2013/7/15
Shiro 「今日はトーナメントに出なくていいの?」
Hitobon 「なんの?」
Shiro 「だから、トーナメントに出なくていいの?」
Hitobon 「ん?なんかわからんけど、出なくていいよ」
Shiro 「うそやん。さっきトイレで石川遼と冗談言い合っててん。
俺、オーガスタにはもう慣れたから楽しんで出てくるわ。癌にも慣れたかな。
青木が、おまえのパンツ洗っておいてやるわ、って言ってくれてん。
あ、でもだんだん歩けなくなってきたからステッキ作らな。
パターみたいな青木モデルのステッキがええな。
Kさんに頼んで、動き出すのが恥ずかしいくらいのウィールチェアも作ってもらおっと。」
2013/7/16
Shiro 「戦争が始まった!若者がクーデター起こして国会議事堂を押さえたで。
国会議員は中に閉じ込められたけど、オレはそこから命からがら逃げ出して大汗かいたわ。
Hitobon 「ほんで?」
Shiro 「黒のランボルギーニカウンタックLP500で国会議事堂の前の道を警視庁に向かってフルスロットルで駆け抜けてきた。昨日お風呂に入った奴らはよかったけど、そうじゃない人はどうするんやー。学会に出席してくれ、ってたくさんメールが来てるけど返信できへんし・・・出席なんて無理やー。」
Hitobon 「・・・(昨日お風呂に入れなかったからか)、なんの学会?」
Shiro 「ゴルフやで」
Hitobon 「あ、そう」
2013/7/24
Shiro 「アシスタントのオーディションに行かれへんー」
Hitobon 「なんのー?」
2013/7/25
Shiro 「今日は結婚式に出席の日やなあ。行かなくてええの?」
Hitobon 「今日じゃないと思うよ」
Shiro 「なんやー」 *この時はすごく悲しそうな顔をしていました。
・・・と、まだまだたくさんあるので今日はこのくらいにしておいて続きはまた・・・。
久山の朝のたわごとのお陰で、笑いながら1日をスタートできました。
Shiro、ありがとね!!
Hitobon
結婚式に出掛けられなかったのは、本当に寂しかったんでしょうね・・・幸せな新郎新婦の写真を撮るのが特に好きだったようです。幸せな二人を撮っていると自分まで幸せになって泣けてくる、そうでしたから・・・
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そうですね。撮影しながらよく泣いていました。この年、友人の結婚式の撮影に体調が悪くてどうしても行けなかったとがあったので、それも頭に残っていたのでしょう。
朝のたわごとは、まだまだ面白いのが一杯あって、朝から落語家みたいにぺらぺらしゃべってました。また機会があればご披露します。
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