久山が遺したメモ No.4 - Hitobon

余命半年という末期の胆嚢癌宣告を受けてから、1年少し経った2013年3月に書いたメモです。

久山は、色んな副作用と戦いながら抗がん剤治療を1年続けました。治療法の選択肢がなかったのですから「頑張るしかない」と言っていました。が、1年経って彼の癌細胞にはもう効果は見られず、体調は不安定になるばかりでした。

「ひとぼんは、オレのこの状態をどう思う?オレどうしたらいいんかな?」と何度も繰り返すようになりました。
抗がん剤は辛い。やりたいことが出来ない。自分らしく生きられない。抗がん剤の副作用であまりにも思いどおりにならない自分に限界がきていました。副作用に苦しみ耐える日々を過ごしても治らないのなら、その縛りから開放されて癌と直接対決した方が自分らしく生きられるのではないかと考え始めていました。
でも、心の中は揺れて揺れて揺れ続けました。抗がん剤を止めたら命が短くなる。素の体で癌と闘うのは考えただけでも怖い。でもそれでも抗がん剤のオバケから逃げたい。でも止めると言ったら担当医はどういう反応をするのか?癌はどんどん転移を始めるのか?アレもしたい、コレもしたい。でも、止めたら本当にやりたいことが出来るようになるのか?

遂に3月21日の診察日に「抗がん剤を止めたい」と先生に伝えました。胸が張り裂けそうなほど考えて出した結論に、担当の医師は「では今までとは違った方向で支え続けましょう」と言ってくれました。緩和ケア科では「痛みに対して100%のサポートをする」ということと、「在宅で闘病できるように近隣の病院を紹介する」と言っていただけました。この大きい決断に対する病院の対応は、久山の心を穏やかにしました。「これからは、今までの1年と違った『やりたいことだけをやる毎日』を過ごすで!」と久山らしいパワーがむくむくと湧き出てきました。

ここまで来たら、何が正しいのかなんてお医者さまにもわからないのです。私たちが「こう生きる」と決めたことが正しいのです。そしてそれがたとえ苦しい一瞬の連続であっても一緒に寄り添って過ごすことが一番大切なんだと思います。
私は、今までの人生でこんなに真剣な毎日を過ごしたことはありませんでした。久山は命を張ってそれを教えてくれたのだと思っています。

Hitobon

L10400222013年3月 久山自撮影

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