今日は、久山が最初の頃に受けた疼痛緩和治療について書こうと思います。
腹腔神経叢ブロック(ふくこうしんけいそうブロック)
お腹の内臓から来る痛みに対して行われる緩和処置です。CTなどで透視しながら腰の辺りに背中側から針を刺し、局所麻酔薬(アルコールの一種)の投与で神経を破壊して神経の伝達を遮断するブロックです。
久山は、最初入院した2012年3月にこの処置を受け、随分と痛みが緩和されました。処置を受けた当日は激しい下痢に襲われましたが、あんなに痛がっていた患部の痛みは「一切感じない」と言っていました。
その日の日記の一部です。
「CTのベッドにうつ伏せに寝かされバンザイの格好で固定。背中に印をつけて右側から麻酔の針を入れて処置スタート。この針が痛いのだけど、その後太い針を刺されている様な、そうでない様な、、、。時々針の先がどこかの神経に触れているのか腹の中がピクッと動く。気持ち悪い痛さを感じる。背中が痛くて動けない。体を動かすと背中がつる。その後下腹部の痛みと下痢の繰り返し。なかなかスゴイ。腸がぐるぐる鳴りまくる。体の中身がコントロールの外にある感じ。不安のまま寝たが夜中に目覚めると痛まない。なかなか信じられずにまた寝る。また起きて痛まない。また寝る。その繰り返しのうちに夜が明ける。痛くない。本当に痛くない。」
でも、同時にこんなことも書いてあります。
「うす暗いベッドの上でお腹を触ってみる。急に内臓が愛おしくなってきた。なんだか内臓たちに悪いことをしたような気になってきた。ごめんな!って。オレの勝手で君たちの意思を伝えられなくしちゃったな、って。でもその代わりに一緒に癌と戦ってくれ、ってお願いした。もう充分悪いんだから一緒に元の元気な状態に戻して行こうって、内臓たちと約束。不覚にも初めて泣いた。心から泣いた。涙が止まらなかった。内臓たちとのコンタクトを失った。」
辛い激痛が緩和された後に退院。通院での治療はそれはそれで不安が一杯でしたが、痛みが緩和されたことは私たちに大きな勇気をくれました。
Hitobon