「日本の結婚式」という、和にこだわったウエディング雑誌をつくっている編集者です。
久山さんとは最後の10年間、たくさんの楽しい撮影現場をご一緒しました。
いまはない「けっこんぴあ」「シティウエディング」、いま手掛けている「日本の結婚式」。
結婚するカップルと結婚式産業の皆さん以外たぶん知らないであろう雑誌媒体は
活字離れと婚礼離れのWパンチで、使える編集予算も細り、久山さんに撮影をお願いできる機会は年々減っていきましたが
久山さんは「あんたが編集長なんだから、撮り下ろし10Pとかそういう特集を企画してつくったらええのに!」
「なんや、それっぽっちかー。しゃーないな」
とブツブツ文句をいいながら、それでも頼まれた仕事は過剰なまでの集中力で
見事なクオリティの広告写真やウエディング実録写真を数々撮ってくれました。
出版社の版権問題や、被写体となっている方々の同意というハードルがあって
なかなかWEBでの作品掲載が難しかったのですが、比較的最近のもの
久山さんの仕事やお人柄を惜しまれるクライアントの1社から快く同意いただき、ぜひ協力したいとのお申し出で、今回投稿します。
いまから5年前、「日本の結婚式」
第1号のタイアップページで
和のジュエリー「ichi」代表でデザイナーの、小池さんのお仕事風景を撮ろうとなり
暑い夏の日に、ichi渋谷店で撮影をしました。
小池さんの日本人離れした風貌、工具や、渋谷区神南なのにワビサビなお店の雰囲気など
久山さんは大いに喜び、素敵な写真をたくさん撮ってくれました。
そのときの何枚かは、いまでも時々誌面で使用させていただいています。
以降、何度かichiさんの撮影をお願いして、お店の皆さんとも仲良くなった久山さんは
「自分も何かつくってみたい」と、久山オリジナルの革鞄を頼もうとされていたそうで
(指輪だけでなく、いろんなものを職人さんがオーダーでつくってくれる、人気のお店です)
結局その約束が果たされることはなく、心残りに思っていた、そう統括の土居野さんはおっしゃいました。
私にも果たせなかった久山さんとの約束はたくさんあるのですが
一枚でも多く我が作品を世に送れという約束だけは、これからも果たしていこうと思います。私の力の及ぶ範囲で。
雑誌「日本の結婚式」編集長 永嶺紀子
画像提供「日本の結婚式」http://nihon-kekkon.com/
掲載協力「ichi」http://www.ichi.gr.jp/
ご協力ありがとうございました。
-team shiromasa